グラズノフ
こんばんは、ピアニストの今川です!
今日は久しぶりにピアニストらしいお話をしようかと思います。
皆さま、グラズノフという作曲家をご存知でしょうか?
たぶん、知らないと思います。音楽学部の教授でもほとんど知らない、無名の作曲家です。
私は彼のピアノソナタを弾いたことがあるのですが、出会ったのは大学3年生の時でした。
実技試験の課題が【ピアノソナタ全楽章演奏。作曲家問わず】という非常に自由度の高いもので、私はいつも試験曲は運命を感じる曲が良くて、慎重に、吟味して選んでいました。
有名でかっこ良い曲にも惹かれましたが、私はその時、出会ったことのない素晴らしい曲にどうしても出会いたくて、ひたすらピアノソナタと名のつくものを、片っ端から聴き続けていたのですね。
友達の中には、かの有名なジョン・ケージのソナタを提出して怒られていた子がいたのも懐かしいです。笑
そんな時出会ったのが、グラズノフでした。
ピアノソナタは2曲しか作曲していない、ロシアの無名な作曲家です。
どちらかというとヴァイオリンの曲の方が知名度が高いので、ヴァイオリン畑の方は知っていたりします。
私は彼の曲を聴いた時、あまりに複雑で美しいハーモニー打ちのめされました。そして、ぜひ自分の指でこの素晴らしい曲を奏でてみたいと強く思ったのです。
しかし、彼の扱う美しいハーモニーは、非常に複雑で繊細で、慣れない響きに興奮しながらも、音が自分の中に落とし込めなくて大変苦労しました。
結果的には全然きちんと曲が弾けなかったので、苦い思い出です。
それでも、どんなに振られても彼の曲は変わらず美しく、この曲を自由に奏でることができたらどれほど感動できるのだろうと、今なお惹かれています。
ピアノの演奏依頼が落ち着いたら、またグラズノフにも着手していきたいなぁ。
気になった方はぜひグラズノフ、ピアノソナタで検索して聴いてみてくださいね。
ちなみに、こんな素晴らしい曲を書く彼ですが、ロシア人らしく非常に酒飲みで、教卓の中に酒を隠して、飲みながら教鞭をとっていたというとんでもエピソードの持ち主です。笑
私も彼に少しでも近づこうと思って、昼間っからお酒を飲んでピアノの練習をしてみましたが、私はお酒に弱いのですぐ眠くなって寝てしまいました。笑
ではでは、これくらいで終わりたいと思います。
お読み頂きありがとうございました!