ファジル・サイとの出会い

こんにちは、ピアニストの今川です!

前回は【ビル・エヴァンス】とのエピソードを書きましたが、今回はその続きで【ファジル・サイ】とのエピソードを書こうと思います。

Fazil say(ファジル・サイ)

現存するピアニスト兼作曲家です。

彼との出会いは2年ほど前でしょうか。

【pianist】という、ピアニストが3組のみ出演するコンサートを私は観に行きました。

お目当ては、盲目のピアニストとして有名な辻井伸行さん。

映像で彼の音を聞いた時、あまりに透明度の高い音を、一度でいいから生で聴いてみたいと思っていました。

そしてもう1組、Les Frères(レ・フレール)という兄弟ユニット。

バラードとブギウギを上手く使ったパフォーマンス性の高い演奏家で、お客さんの心を掴む彼らの演奏も楽しみにしていました。

最初にお目当ての2組が演奏し、想像以上の感動に「高いチケットだったけど、観に来て本当によかった」と心から満足していました。

辻井伸行さんが盲目だからこそ実現できた、ありえないほど絞った照明での【月の光】の演奏が、本当に月夜の下で奏でられているようで、この世のものとは思えない空間になっていたことも印象強く残っています。

そしてラストが、ファジル・サイでした。

正直、名前も聞いたことがなくあまり期待をしていませんでした。ですが彼の音を聴いて、なぜ彼がこの3組の中でラストだったのかがわかりました。

彼は、ピアノを本当の意味で弾ける人でした。

私はまだ、ピアノを弾けていなかった。

彼の演奏を聴いて、私は大きな衝撃を受けました。

https://m.youtube.com/watch?v=zuH-rRVP_3w

彼の代表曲の一つ、パガニーニ・ジャズ。

かの有名なパガニーニ変奏曲を、彼のジャズに落とし込んだ作品です。

心をえぐるようなアレンジに、高い技術を持って完璧に演奏されていました。

もう、演奏というより、ピアノは彼の喉で、彼が全力で歌っているのを聴いているようでした。

こればかりはいくら言葉で言い表しても、実際に聴いて頂かないと伝わらないかもしれませんね。笑

ですが、私は本当に頭を殴られるような衝撃を受け、自分の価値観を変えられました。

彼はクラシックでもジャズでもどちらのピアニストでもあったのです。

逆に言えば、どちらのピアニストでもないのです。

「ジャズとクラシック、どちらで私は幸せになれるのか」

どちらかに絞らねばならないと悩んでいた私にとって、どちらも弾く彼は新しい価値観でしたね。

ちなみに、爽怪人間の舞台【レジャーマン】では、ファジル・サイの【パガニーニ・ジャズ】を一部演奏させて頂きました!

めちゃくちゃ難しかったです(笑)が、ものすごく楽しかった!

またソロリサイタルするときにでもレパートリーに入れたいなぁ。

以上、またまた真面目な今川でした!