私が創りたい演劇

代表のイルギです。
日焼けするとめちゃくちゃ痛いので夏は日傘をさす系男子です。

 

昨年色々なところでお芝居を見て

ものすごいプロ団体のお芝居を見たり、商業演劇を見たり、芸能人のお芝居を見たり、色々しました。二週間山籠りして俳優修行もしたり。
そんで、僕らのような社会人中心の劇団(2名は俳優として活動してます)はどのような演劇を作っていくべきかを色々悩みました。商業演劇を真似するのは論外。なぜかというと、財力のなさで商業演劇を劣化させた作品になってしまうのは確実だからです。お金なくても俳優の実力でプロの俳優と同じ演技をしたら良い、というわけにもいかない。彼らは稽古場にいる時間が長いし、とにかく演技に関わる機会はアマチュアより多い。何よりお金をかけるとスタッフのレベルがダントツに違う。これは本当に大きい差なんですよね。
少なくとも誰かに劣ってると感じながら、知りながら、比べながら作品を創りたくない。
じゃあすごいプロ、ここでは劇団SCOTを挙げますが、あの方々のような全てを演技に捧げる生活は限りなく厳しい。彼らは商業演劇とは異なった表現の演技を極めているプロです。その演技を極める時間は都会人にはないです。都会で演劇やる限界ですね。食う寝るのにコストかかりすぎ。社会人は基本的に会社でアホみたいに働いてますので、その時間の差でどうあっても演技に全てを捧げることはできない。だから専門的な技術を高めまくる劇団にするのは難しい。

どうするの?

1、他の演出家が作らない作品を創る。
:これは私が俳優だからでもあるのですが、素晴らしい作品を創る演出家がいればその人のもとで役者やれば良いし、その劇団に入れば良いんですよ。誰かが作れる芝居をわざわざ時間をかけて作らないといけないのか。誰も作らんから作ってみる。俺が見たいけど誰も作らんから俺が創るか、というスタンス。(今のところ、2022年で行った「班女」「大人のお手本-超-」はそれに成功しています。質とかレベルはさておき)
2、俳優を利用しまくる
人間は生きてるといろいろなことを吸収します。だから、俳優をとことん見てその俳優に何ができるかをとことん考えます。一人一人が特別なので。
3、効率化を重視
いらない無駄な時間を削るために事前準備などを徹底する、ですね。クリエイティブでない業務的なことをとにかく効率よくしてクリエイティブな時間を増やすように工夫する。これは社会人の多い我々の劇団はすごい得意。だって会社で色々教えてもらえるし。(私は俳優なのでもう会社から学べませんが)

これらがかけ合わさったときにすごいものが生まれるし、お客さんに素晴らしい作品を出せると考えています。そしてこれは私のもとに集まる人たちが魅力的で、しっかりコミュニケーションを取れるなら成功すると考えています。
実際に、今集まってる人間はみんな知的でユーモラス。ありがたいことに。
彼らと私が創る作品はこれからたくさんの時間をかけることでどんどん素晴らしいものになるでしょう。
今でも良い作品を作ってるとはおもいますが、まだまだ。
というか、今最高の作品が作れるなんて、自分の信じてる演劇を馬鹿にしてるみたい。たかだか、30歳でそんなことは言えません、死ぬまで修行です。

結局、プロの団体になりたいか?

団体としてなる気は毛頭ないです。
理由はどこかで話すとして、この劇団は社会人劇団で、そこに大きな価値があるから。その話はまたの機会に。

劇的☆爽怪人間 代表 イルギ

(2022年5月「大人のお手本-超-」)